人間は基本的に人の話を聞くよりも自分の話を聞いてもらいたい、自分を知ってほしいと思う生き物です。その気持ち自体は悪いことではありませんが、度を越えると他人に迷惑をかけたり、周りの人に煙たがられる可能性があります。
近頃、そういった人は自己顕示欲の強い人として、よく批判の対象になることが多いですが、何がどう良くないのか、周りに迷惑をかけないようにどんなことに気を付けたらいいのか見ていきましょう。

目次
自己顕示欲ってなに?
自己顕示欲とは、自分の存在を周囲の人に知らしめたい、アピールしたい、注目を浴びたいという欲求のことです。人間は食欲・睡眠欲、性欲が三大欲求とされていますが、それと同じくらい人間にとっては大事な「欲」だとも言われています。
正常に働けば、「テストでいい点が取りたい」「オリンピックで金メダルを取りたい」「出世したい」といった向上心と結びつき、個人の成長に繋がります。
度を超えてしまうと…
しかし、度を越えてしまうと人を蹴落としてでも誰かの上に立ちたい、どんな手を使っても注目されたい、といった行動を取ってしまうこともあります。
向上心が強く、負けず嫌いな人ほど、方向性を間違えると迷惑行為をしてしまう可能性があるため、自己顕示欲は諸刃の剣だとも言えるでしょう。
特徴その1. SNSを活発に利用する

SNSで良い情報を共有するのは手軽で楽しいことですが、色々な人のSNSを見ていると強烈な「私を見て!」というアピールを感じる投稿を見かけることがありませんか?
まずは、SNSへの投稿そのものが1日に何度もあるような人や毎日日記のような内容の投稿をしている人は自己顕示欲が強いでしょう。
特徴その2. さりげなく発信して自慢する
「私が感じていること、考えていること、見たもの、とにかく見て!」という気持ちの表れです。
また、自身や友人、恋人の顔がはっきり映った自撮り写真をアップして充実感をアピールしたり、ブランド物をさりげなく、でも確実に狙って映しているであろう写真をアップしたりする人も自己顕示欲が強いと言えるでしょう。
特徴その3. 自分勝手な傾向がある

自己顕示欲が強い人は自分をアピールしたい、注目を浴びたい、という気持ちが強いので、どうしても自分勝手になってしまいがちです。友人同士で話をしていてもそこに関連する自分の話を始め、しまいには友人同士の会話ではなく、友人たちに一方的に自分の話を聞かせているという状態になってしまいます。
友人が途中で話を変えようとすると、強引にそれを遮って話を続けたり、違う話題をまた一方的に話したりするので、こうなると一緒にいても「話を聞かされるだけ=私を見て!私の話を聞いて!に付き合わされるだけ」となってしまうのです。
気づかないうちに距離を置かれてしまうかも
もし友達がこんなタイプだったら毎日顔を合わせたり、長い付き合いをするのは難しいでしょう。
自分の話を聞いてほしいという気持ちがエスカレートすると、気づかないうちに友人から避けられるようになってしまった、距離をおかれてしまった…ということもあります。自分が話したら、友人の話も聞き、お互いに会話を楽しめるようにしたいものですね。
特徴その4. 有名ブランドしか認めない
身に着けているものがやたらと有名ブランド品の人は自己顕示欲が強いです。有名ブランド品はパッとみただけで「それだけの価値がある」と見る人に知らしめることが出来ます。
つまり、価格もそこそこする有名ブランド品を身に着ける「自分」に価値があり、そんな「自分」を見てほしいのです。ブランド品も結局は自身を飾るための道具に過ぎません。
ブランド品=価値が高い、から離れられない

また、こういったタイプの人はブランド品以外の物をバカにしたり、認めようとしません。どんなに上質な素材を使ったものでこだわりの逸品だとしても、有名ブランドでなければ自己顕示欲の強い人には価値のないものと同じです。
高級ブランドではなくても、決まったブランド品を好み、他人のノーブランドの持ち物を「ダサい」と貶すことも、「あの人より私は良いものを持っている」という自己顕示欲に繋がります。
特徴その5. 負けず嫌いで向上心が強い
自己顕示欲の強い人は負けず嫌いで向上心が強いという特徴もあります。これ自体はとても良いことですが、自分より優れている人を必要以上に敵視する可能性があります。
無視をしたり、必要な情報を教えなかったり、自分にとって都合のいいように噂を流したりと職場環境などに悪影響を及ぼすことがあります。
こういったタイプは、自分の方がもっと優れている!と心の底で思っています。何なら表情に出ているかもしれませんね。自分より優れている人を認めたくない。自分が埋もれてしまう…。そんな風に感じているのでしょう。
できる人に並々ならぬ敵意を持つ
よくあるのは、正社員が仕事の出来る派遣社員に並々ならぬ敵意を持っていたりしますよね。
派遣社員は正社員の自分よりも下の存在…そんな風に思うため、派遣社員の方が仕事が出来ると負けたくない、認めたくない気持ちから仕事を雑務で妨害したり、辛い態度であたるなどの行動に出てしまうこともあります。
特徴その6. 弱みを見せない

自己顕示欲が強い人はとても優秀ですし、誰にも負けたくない、注目されるのは自分だという気持ちを持っています。そのため、他人に自分の弱みを見せたり、欠点を指摘されるのを嫌うでしょう。
もし何か指摘されても素直に聞き入れることはほとんどありません。「忙しかったけれど周りがフォローしてくれない」など、自分は悪くない、悪いのは他人だというように話を持っていきがちです。
弱みや欠点を受け入れてしまうと、そこで上下関係が出来てしまうため、それを嫌ってのことです。
特徴その7. 自分の弱みを自覚しない
また、こういった人は自分の欠点や弱みを自覚することも避けています。本当は心のどこかで自分は弱い、上には上がいるなどという意識があるのに、それを認めてしまったら自分を保てなくなってしまうのです。
弱い自分を周りに弱いと思われないよう、舐められないよう、「誰もがすごいと認める私」を作り出しています。
自分中心にならないよう心がければ大丈夫
自己顕示欲は人間が生きていく上で欠かせない欲求の一つなので「悪」ではありません。もし、自己顕示欲の強い人の特徴に当てはまる部分があれば、少し欲がエスカレートしてしまっているかもしれませんね。
しかし、自分が一番で、他人の意見を聞けなかったり、バカにするようなことがなければ、それほど心配する必要はないでしょう。日頃から自分中心の考え方にならないように心がけていきたいですね。